水代 達史:Rising

自然界の生きとし生けるものを主人公に金工の粋を駆使して独自の世界を展開してきた水代達史。伝統的な技法に基づく高い技術力を継承するその技巧の精緻さとは裏腹に、どこかユーモラスで意思を感じさせる生き物たちは、今展でも奇想天外な姿を披露してくれます。

 

今展にて初披露となる新作「虚栄」は、躍動感あふれる表現で金の龍がうねりながら空を駆け巡る瞬間をとらえるものですが、その作品の裏側は表とは全く違う様相を呈し、観るものにさらなる驚きを与えてくれます。

 

金工作家として中堅に差し掛かり、着実にそのたぐいまれな技術力と表現力を高めてきた水代達史の自然に対する驚きと慈しみのまなざしから生まれる生き物たちの世界を是非ご高覧ください。