2014年の弊廊での初個展に引き続き、二度目となる本展では、木野の代名詞ともいえる「颪(おろし)」シリーズの最新作を中心に約10点の作品を紹介いたします。
磁土を用い、ロクロを使って成形された円環の形状を活かした作品群は、以前よりも一層自由に、空間へさらなる広がりを見せる形へと進化しています。手前からの奥へと渦を巻く形状や、天に向かって伸びやかに起立する作品など、自然界の現象をより立体的に表現することに成功しており、それはまるで木野が世界へ羽ばたく姿と重なるかのようです。
この2016年はスペインや台湾といった海外公募展での受賞や、より大型の作品制作に取り組むべく台湾に大型窯を築窯するなど、30代を目前にした作家の、今後の更なる飛躍を予感させる重要な年となっています。
作品と向き合う人々にどのような印象が残り、何を思い巡らせるのか。「残映」と題しました本展にて、磁器の円環と青白磁釉が生み出す木野独自のオブジェ作品の、新たな境地をご高覧いただけましたら幸いです。