赤嶺 学:アカミネサイクル2015 フレームコレクション/スケッチ アンド オブジェクト

赤嶺学は沖縄に生まれ、現在も沖縄で作陶活動を続けている。サイクリストでもある彼は近年自転車をモチーフにしたオブジェを多数制作している。

 

赤嶺が小学生のころ、新聞配達で貯めたお金で初めて買ったものは自転車であった。中学では自転車競技を体験。高校生の時には、1987年に控えていた沖縄海邦国体に向けての若手選手育成の自転車競技の強化選手としてスカウトされ、沖縄県からロードバイクを支給され強化練習に参加するなど、陶芸作家としては異色の経歴の持ち主である。

 

その後、沖縄県立芸術大学に進学し、陶芸作家として独立後も自転車への情熱は失われず、仕事の合間をぬっては3台の愛車(Gary Fisher、BALFA、CHERUBIM)の整備をおこない、寝ても覚めても自転車のことばかり考え続け、気がつけば、粘土で自転車の作品を作りだしたことが「アカミネサイクル」のきっかけであった。

 

その柔らかで有機的な生き物のようにも見える自転車作品には、あたかも工業製品のように固体が識別できるロットナンバーが割り当てられるなど、工業製品に対するオマージュが込められている。

 

今年の「アカミネサイクル2015」では、自転車の骨格を成すフレームに注目し展開するアカミネサイクル初期からの継続したテーマである「フレーム コレクション」と、新シリーズである「うつわ」に自転車のスケッチを描く「スケッチ アンド オブジェクト」の2つのテーマに基づいて個展を開催する。

 

また、アカミネサイクルには自転車業界からも注目が集まっており、2015年は国内最高峰の自転車レースの大会である「ツール・ド・おきなわ2015」とのコラボレーションが決定している。国際ロードレース3部門の優勝者(男子チャンピョンレース、女子国際ロードレース、ジュニア国際ロードレース)には、アカミネサイクル製のトロフィーが授与されることとなっており、今後の展開にも注目が期待される