荒谷翔 × 水代達史 : be impressed...

滑らかで無駄のない白磁のフォルムと、そこから湧き水のように流れる澄んだ釉薬が美しい荒谷翔の陶芸作品。大作の鉢や茶碗に花入、香炉といった用途生のある作品に加え、今展ではろくろで作る最小の限界に挑んだ「ミニチュア作品」を展示いたします。青白磁の確立された美の概念に新たな風を吹き込むことができるのか、これからに大いに期待したい作家です。

 

爬虫類の湿った肌の艶やかさや造形の複雑さを緻密に再現し、独自のスタイルに昇華させた水代達史の金工作品。今展では植物に擬態する小動物をモチーフとした作品などが並び、水代の手によりユニークに進化を遂げた小さな生き物たちの世界が広がります。金メッキのなされた御所車の作品は琳派400年のこの時代を思わせる、きらびやかで装飾性の高い作品となっております。静かで凛とした荒谷の作品と、技巧を凝らしたユニークで華やかな水代の作品。二人の若き才能が魅せる、金属と磁器との二つの異素材が融合し、共鳴する展覧会となっております。