木野智史:残心

国内はもちろんのこと、近年スペインやイタリア、台湾など海外での評価がますます高まっている若手作家の一人である木野は、ろくろによる技法と磁器土を用い、空間形成を意識した作品を作り続けています。

 

彼の造形のインスピレーションの源は、水や空、植物など自然のなかに存在するものが持つ静けさや緊張感。言葉を持たないものから放たれる生命のリズムや揺らぎ、そしてその余韻が独自のフォルムに写し出されています。それはまるで、音もない空間に一石を投じるような、またはざわめきを一瞬にしてとどめるような、動と静の絶妙なバランスを保った生き物のようです。

 

今回は待望の新作が一同に並び、新たな境地を垣間見ることのできる展覧会となっています。