BELOVED たいせつなもの

艸居ではこの度、 若手作家4人展:小島陽介・谷本貴・高山大・宮岡貴泉 「BELOVED-たいせつなもの」展を開催致します。 リーマンショックから5年、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故からまもなく3年。経済は低迷を脱しつつあるといえども、まだ抜け出せずにいます。そんな中、人々は本当に大切なものを見つめはじめている。この深刻な世相の下、日本人に希望と勇気を与える作家の心意気。作家の思いが伝わることを祈り、この展覧会を企画致しました。

 

小島陽介・谷本貴は伊賀で活躍するエネルギー溢れる気鋭の作家です。 伝統的な造形を離れ、土の素材を活かした現代造形美を作り出します。小島陽介は 父・小島憲司に師事し、2001年には艸居の姉妹ギャラリー桃青で初個展。2003年に独立。 谷本貴は戦後古伊賀、伊賀焼の復興に尽力し、谷本伊賀を確立した谷本光生を祖父に持ち、現代伊賀焼作家、谷本景を父に持つ。 陶芸の域のみに留まらず、多様なメディウムで活躍した家族で育った谷本貴自身もイタリアで陶造形を学ぶ。今回のグループ展では伝統的な伊賀焼を消化し、そこから生まれる斬新、かつ心を温めてくれる♡シリーズの彫刻を展示する。高山大は2002年からタンザニアにて土器の制作研究をしている。そこから感化を受けて創造された作品は、日本陶芸とは全く違うプリミティブな世界。本来、人間が本能的に要する形や色であり、現代社会で忙しく毎日を送る私達にふと、なおざりにしているものはないかと振り返らせてくれる。 宮岡貴泉は2009年からヘッドホンをつけた奇抜な色の観音「ロック観音」を制作している。人々の固定観念を逸脱したショッキングな容姿の観音は、平穏な日常を無感覚に生きている私達に、新しい視覚を与えてくれる。