林 秀行:回顧展

京都 - この度、艸居(京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町381-2)にて「林秀行 回顧展」を開催いたします。

 

惜しくも2024年3月29日に87歳で逝去されました林秀行は日本の陶芸界で長年にわたり活躍し、多くの人々に愛されてきました。彼の作品は、独自のスタイルと技術を持ち、日本の伝統的な焼き物文化と現代のアートシーンを融合させたものとして高く評価されています。本展では、50年を渡って過去の代表的な作品と最新作品が展示されます。オブジェ作品からお茶碗、器まで約90点以上の作品が展示されます。

 

林は、陶芸界で革新的な動向を生み出した「走泥社」のメンバーの一人として、また、オブジェ作品を通じて現代陶芸の牽引者として活動してきました。彼は、陶芸の世界における職人の価値や重要性を強調し、日本の焼き物文化における役割や責任についても語ってきました。日本の焼き物文化が日常生活に密接に関わっていることや、文化の多様性が京都の焼き物文化に反映されていることを強調してきました。彼は、焼き物に携わる者として、文化の継承と発展に貢献することの重要性を認識してきました。

 

これまで前衛的なオブジェ作品を数多く制作し、オブジェ作品を作る際に、几帳面な計画よりも直感や手での作業に重きを置いてきました。彼は、合理性や効率性を追求する世の中において、自らの作品作りのスタイルが逆行していることを認識していましたが、その逆行こそが面白いものを生み出す源泉であると考えました。

 

本展は、日本の陶芸界だけにとどまらず重要な展覧会となることでしょう。作品を通じて、彼の芸術的な遺産を賞賛、彼の長年の功績を称えることができる貴重な機会になれば幸いです。

 

林秀行(はやし・ひでゆき)

1937年京都生まれ。京都市芸術大学彫刻科卒。林家の長男(弟は三代目・林紅村)。

1964年に走泥社の同人となり(98年の解散まで所属)以来、現代陶芸作品の牽引者の一人として活動。主な展覧会:国立近代美術館、パリポンピドゥセンター(仏)、セーブル陶磁器美術館(仏)、京都市美術館、国立国際美術館、広島県立美術館、また他多数。コレクション:東京国立近代美術館、国立国際美術館、京都市美術館、広島県立美術館、埼玉県立近代美術館、高松市美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館(米)、ファエンツア国際陶磁博物館(伊)、ベルトランド美術館(仏)、装飾美術館(パリ)エバーソン美術館(米)、アリアナ美術館(ジュネーヴ)、ヨーロッパセラミックアートセンター(オランダ)、また他多数。