台湾生まれの郭は1992年にニューヨーク大学を卒業後、同大学で教鞭を取りながらニューヨークを拠点に活動しています。セラミックや木を素材とし、素朴で温かみを感じさせる郭の作品は、太古より私たちの細胞に刻み込まれている本質的な「かたち」を追い求めています。
郭の作品の根底に横たわっているのは「異なる起源や背景を持つ人々が、なぜ同じように特定の形や素材に反応するのだろうか」という問いかけです。それは、郭が台湾に生まれ、ニューヨークという多様な価値観が存在する都市で長年生活をしてきたことに関係しています。
線、形、空間の関係性に関心を寄せる郭の彫刻は有機的かつ幾何学的なフォルムで知られていますが、それらは原始美術や古代の道具、先祖の生活様式などから着想を得ています。郭のまなざしは、やがて時空を超えて人類全体へと向けられます。土や木といった人類が原始より利用し続けてきた素材の意味を、制作という身体的な行為を通じて再考します。
本展ではコロナ禍の前後に制作された立体作品を中心に、平面作品も含めた24点を発表いたします。郭はそれぞれの作品にはそれぞれの生があり、必ずしもシリーズのように互いに関連しているわけではないのだと述べます。近年は作品と一体化した木の台座を作ることに興味を持ち、しばしば作品に取り入れています。木製の脚や台座が彫刻の一部のように見えるかもしれません。セラミックや木といった、もの同士のゆるやかな連帯こそが、郭の思い描く美術のあり方を指し示しています。
郭の作品を特徴付けているなめらかなフォルムは、お互いの作品と呼応しながら建築的な空間を構築します。本展ではホワイトキューブの空間に郭作品が穏やかに佇む構成となっております。是非ともこの機会にご高覧いただきますようお願い申し上げます。
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