この度 SOKYO ATSUMI(東京)ではジョン・メイソン展を開催致します。2017 年に現代美 術 ⾋居(京都)で開催された初個展「ジョン・メイソン: A SURVEY」に引き続き、⽇本で は2度⽬の個展となります。
前世紀の最も先⾒性のあるセラミックアーティストの⼀⼈として、⼟の可能性を物理的、空 間的に⼤きく⾶躍させ、⾰新的な制作活動を繰り広げてきたメイソン。これまでの陶芸の考 え⽅から⼀脱し、スケール感のある抽象的で斬新な作品を制作しました。彼のウォールレリ ーフや表現⼒豊かな彫刻作品は、当時の抽象表現主義に呼応するものでした。
1950 年代に⻄海岸で活動を開始したメイソンは、1957 - 1965 年は、ピーター・ヴォーコ スとスタジオを共にしながら⼟の物理的な性質や可塑性を探求しました。70 年以降は空間 的な体験、視覚的錯覚、建築的な展⽰など、メイソン独⾃の世界を確⽴しました。線対称、 回転、質量を巧妙に組み合わせた幾何学的な造形と⾊彩の融合などが、メイソン作品の特徴 となり、概念や作品の組織化へとシフトされて⾏きました。
2011 年から 12 年にかけてゲッティセンターで開催された「Pacific Standard Time: Crosscurrents in L.A. Painting and Sculpture, 1950-1970」や、2014 年に開催されたホイット ニー・ビエンナーレに出品するなど、メイソン作品への関⼼が再び⾼まっています。近年で は、シオ・クサカ、スターリング・ルビー、エド・ルシェ、ジョナス・ウッドなどの現代ア ーティストが、影響を受けた重要なアーティストとしてメイソンを挙げています。
⽇本でのメイソンの展覧会は 1964 年の「現代国際陶芸展」東京国⽴近代美術館、京都国⽴ 近代美術館、1971 年の「現代の陶芸:アメリカ・カナダ・メキシコと⽇本」京都国⽴近代 美術館、東京国⽴近代美術館(72)、1989 年の「能弁なオブジェ:現代アメリカ⼯芸の展 開」京都国⽴近代美術館、東京国⽴近代美術館(90)、1994 年の「陶芸の今」愛知県陶磁美 術館の 4 展に加え、2017 年の「開館 15 周年記念 コレクション×クロニクル-制作年から みる岐⾩県現代陶芸美術館コレクション」岐⾩県現代陶芸美術館で取り上げられるなど、多 くの⽇本⼈アーティストにも影響を与えています。
本展では 1984 年に制作された「Triangle」の彫刻をはじめ、メイソンの最晩年作である 2016 年の「Cross, Folded, Jadeite」までの貴重な作品 13 点を展⽰し、メイソンの⼟における⾰新 と実験を⽰します。⻄洋と東洋の影響を混ぜ合わせながら、新境地を確⽴したメイソンの作 品をこの機会にぜひご⾼覧ください。
ジョン・メイソン(1927-2019)
1927 年アメリカ、ネブラスカ州マドリッド⽣まれ。1954 年にシュイナール・アート・イン スティテュート(ロサンゼルス・カリフォルニア・アメリカ)、1956 年にオーティス・アー ト・インスティテュート(ロサンゼルス・カリフォルニア・アメリカ)を修了。ロサンゼル スにて制作を⾏った。 主な展覧会には、「現代国際陶芸展」東京国⽴近代美術館(東京)、京都国⽴近代美術館(京 都)(1964 年);「現代の陶芸:アメリカ、カナダ、メキシコと⽇本」東京国⽴近代美術館(東 京)、京都国⽴近代美術館(京都)(1971 年);「ホイットニー・ビエンナーレ」ホイットニ ー美術館 (ニューヨーク・ニューヨーク・アメリカ)(1973 年)(同 2014 年);「陶の彫刻: 6 ⼈の作家たち」ホイットニー美術館(ニューヨーク・ニューヨーク・アメリカ)、サンフ ランシスコ近代美術館(サンフランシスコ・カリフォルニア・アメリカ)(1981 年);「雄弁 なオブジェ:現代アメリカ⼯芸の展開」東京国⽴近代美術館(東京)、京都国⽴近代美術館 (京都)(1990 年);「陶芸の今」愛知県陶磁美術館(瀬⼾・愛知)(1994 年);「KPMG ピー ト・マーウィック⽶国⼯芸コレクション」スミソニアン・アメリカ美術館(ワシントン D.C.・ アメリカ)(1994 年);「オーティス:ロサンゼルス 90 年の美術」ロサンゼルス・カウンテ ィ美術館(ロサンゼルス・カリフォルニア・アメリカ)(2006 年);「パシフィック・スタン ダード・タイム:アート・イン・ロサンゼルス 1945‒1980」ゲッティセンター(ロサンゼル ス・カリフォルニア・アメリカ)(2011 年)などほか多数。 主なコレクション先は、愛知県陶磁美術館(瀬⼾・愛知);京都国⽴近代美術館(京都);岐 ⾩県⽴美術館(岐⾩);国⽴台湾歴史博物館(台北・台湾);サンフランシスコ近代美術館(サ ンフランシスコ・カリフォルニア・アメリカ);シカゴ美術館(シカゴ・イリノイ・アメリ カ);スミソニアン協会国⽴アメリカ美術館レンウィック・ギャラリー(ワシントン D.C.・ アメリカ);ボストン美術館(ボストン・マサチューセッツ・アメリカ);ミュージアム・オ ブ・アーツ・アンド・デザイン(ニューヨーク・ニューヨーク・アメリカ);メトロポリタ ン美術館(ニューヨーク・ニューヨーク・アメリカ);ロサンゼルス・カウンティ美術館(ロ サンゼルス・カリフォルニア・アメリカ);ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス・カリ フォルニア・アメリカ)など他多数。