CAT (コラボレーティブ・アート・チーム) | 梅津庸一:
子ども主導による子どものための展覧会
会期:2023年1月15日(日) 〜 2月23日(木)
会場:艸居アネックス
CAT(コラボレイティブ・アート・チーム)は、子どもたちがリーダーシップやチームワークをとりアートと関わるチームです。 新しい発見、コラボレーション、リサーチ、キュレーション、執筆、展示など、子どもが中心となって「アートとは何か」「コラボレーションとは何か」を探求します。アートという強力なツールを通じて、子どもたちが社会と繋がり、自分たち自らで未来を形作ることを目的としています。CATの使命は、アートを通じてあらゆる背景を持つ子どもたちが繋がり、彼らの創造性と自己表現力を高めることです。子どもたちの純粋で真髄をついた声は、世界中の公共スペースやコミュニティで取り入れられるべきだと考えています。
今回のCATのアートイベントでは、スペシャル・ゲスト・アーティストとして梅津庸一さんをお招きしました。2022年8月は子どもたちと六古窯の一つである信楽で開催された梅津さんの展覧会とスタジオを訪れ、陶芸作品を制作しました。9月は大阪で大型ドローイングの共同制作。10月は艸居アネックス(京都)にて個々によるドローイングを制作し、作品についての文章作成、招待状のデザイン、ビデオ制作、展覧会の展示構成についてアイディアを出し合いました。
そして今回の集大成ともなる、CAT第一回目の展覧会「子ども主導による子どものための展覧会」を、2023年1月15日(日)から2月23日(木)まで艸居アネックスにて開催致します。本展では、CATのアートプロジェクトを通して、子どもたちが制作したアート作品を展示し、子どもたち自らが楽しめる子どもたちのための展覧会を作り上げます。今回の制作は、梅津さんと一緒に、6歳から17歳までの子どもたちが、自主的に、また協力して制作を行いました。CATの参加者は、梅津さんがいつも制作に使用する同素材の土、釉薬、紙、絵の具を使用し、自分たちの作品を作るという貴重な経験をしました。特筆すべきことは、CATの重要なミッションである、「子どもたちの自主性とリーダシップ」を尊像し、梅津さん、企画者、他の大人からの説明や指示は一切なかったことです。本展では、梅津さんの作品も子どもたちの作品も一緒に隔たりなく展示されています。大型ドローイングの共同制作においては、意図せず他の子どもたちの作品と被さってしまうということがありました。このハプニングはアートと人類史を考える上で、より広い視野でアートとの関わりを捉える機会になったと考えております。
本展では、販売を希望した子どもたちの作品のみ販売いたします。子どもたちの想像力溢れる作品が公的な場においてより高く評価されることを願っております。収益の半分は制作者の子どもたちに、残りの半分は今後の未来の子どもたちのアートプロジェクトに活用させていただきます。このアートプロジェクトは、子どもたちがギャラリーシステムだけでなく、ビジネスの仕組みを理解するための良い導入になることを期待しています。この展覧会では、子どもたちがリスクを負い、新しいチャレンジに挑戦し、すべての意思決定を率先して行うことに焦点を当てています。
今回のCATの取り組みが、カナダのカールトン大学オタワ校学際研究所准教授 Monica Patterson、イギリスのレスター大学博物館学部の博物館・ギャラリー研究センター研究員のCeciel Brouwerとともに、「Children's Museology」に関する書籍に出版されることが決まりました。
これまでのCATのアートイベントや本展覧会は、株式会社丸川様をはじめ、ご支援者の方々から寛大なご寄付をいただくことで実現することが叶いました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。そしてCATのアートプロジェクトを精力的にお手伝いしてくださった井本潤さん、安積彩華さん、Rikuto Hongさんにもお礼を申し上げます。
CAT参加アーティスト
アハーン・エーリズ、アハーン・オーエン、安積彩華、ビゴット・へリーン、ボン・マル、ボン・ヌリ、クラム祭、クリスリップ留姫、ゾルクパタ・エナム、エロフェイェフ・アレクサ、エツロット摩彩、藤田ダナヴィン、藤田マエリン裕月、フジワラ・ハル、井垣南穂美、井本ミュウ、岩城真佳、ジョーンズ・エリーナ、キム・ヒョウジン、キム・テヒョン、キム・テヨン、レイ・クラーク、リ田中えま、リー・ジェーン、リー・ユンジェー、雷象涵、雷象智、リン・ジェシー、ミナミ・ユイ、ナリタ・ケン、坂本龍フランソワ、佐々木青輔、佐竹香乃里、佐竹律香、シン・アナミカ、ソヴァ・ソフィア、内匠結菜、ウィ・ジャスティン、山口 紘、山口 和佳乃、ユサ直美
スペシャル・ゲスト・アーティスト: 梅津庸一
「子どもはじきに大人になる。けれども大人が子どもにもどることはない。大人は子どものために何をしてあげるべきなのか?わたしは大人が踏み入れない領域で子どもの想像力は人知れず培われるものだと思っている。つまり、何をしていいのかいまだによくわからないのだ。」
CAT企画者
ジェニファー・ヘンベスト・カルビージョ、関西学院大阪インターナショナルスクール/
藤田篤実、艸居