クリスティン・モルギン: 21世紀作品 2001-2019

プレスリリース

艸居及び艸居アネックス(京都)では「K・モルギン:21世紀作品 2001-2019」を開催いたします。

 

今春、東京のSOKYO ATSUMIにて開催された日本初個展に引き続き、京都においては初の個展となります。2001年の初期作品から2019年までの近作を展示し、彼女の長年にわたる探求をご紹介いたします。

 

ロサンゼルスを拠点に活動しているモルギンは、未焼成の粘土を使用して、絵本や玩具、ドナルドダック、ヨーダ、ブラット・ピットなど、個人的または集団的な記憶を呼び起こすオブジェやアイコンを制作しています。

 

「私の作品は、物質の尊さ、気高さ、頑固さを表現した繊細なものです。荒廃し、衰滅することが決まっているにもかかわらず、必然的な終焉に抵抗しているのです。」

―クリスティン・モルギン

 

彼女の作品は、一見すると海外のガレージセールに並んでいそうな使い古して風化したガラクタのように見えます。色褪せたカセットテープや擦り切れたステッカー、読み古された雑誌や絵本は、実は粘土から作られています。また未焼成の粘土で模したベニヤ板やダンボールのオブジェの隣には、本物のベニヤ板やダンボールが並んでいたり、何が本物で何が作りものなのかわからなくなります。目くらましのようなモルギンの熟練した技巧の効果は、私たちを取り巻く物質に対する感覚を高め、世の中の物事に対する見方を変えてくれます。

 

 粘土の上に塗料、インク、グラファイト、マーカーを使い、風化し、ボロボロになった表面を作り出すことで、鑑賞者はかつての所有者を想い、懐かしさやノスタルジーな気持ちがこみ上げてきます。

 

またフランシスコ・ゴヤ、フィリップ・ガストン、ゴッホなどから影響を受けており、アメリカの政治的、社会的な問題を直接作品の中に表現するところも彼女の作品の大きな魅力です。