1913年中国大連に生まれ、翌年父の転勤で東京に移る。幼少より書に親しむ。
2021年東京都内に108歳で逝去。
経歴
1940 銀座鳩居堂で初めての書の個展。伝統に縛られない自由な表現を志向するが「根なし草」と酷評される。
1945 敗戦後、病をえて二年間療養。
1947 この頃より文字に囚われない抽象的な作品を制作しはじめる。
1954 建築関連の最初の仕事として、サンパウロ市400年祭の日本政府館(設計・丹下健三)に壁書を制作。
ニューヨーク近代美術館「日本の書」展に出品。
1955 ベルギーの画家ピエール・アレシンスキーの映画「日本の書」撮影のために制作を実演。
1956 日本の前衛書と欧米の抽象絵画の響きあいに国際的な注目が集まるなか、単身渡米。主にニューヨークを拠点に2年にわたり活動、全米各地およびパリで個展を開催。
1957 個展、バーサ・シェイファーズ・ギャラリー(ニューヨーク、アメリカ)
個展、タフト美術館(シンシナティ、アメリカ)
個展、アート・インスティテュート・オフ(シカゴ、アメリカ)
個展 日本倶楽部 (ニューヨーク、アメリカ)
個展 ギャラリー・ラ・ユーヌ(パリ、フランス)
1958 帰国。大田区田園調布に住む。以後、日本の湿潤な風土が墨の特性を生かすことを再認識し、日本で制作して海外で精力的に発表しながら、独自の抽象表現に取り組んでいく。また多くの建築のために壁書、壁画、陶壁、緞帳などを手掛けていく。
1959 「日本の伝統と革新:白隠・志功・桃紅・南谷4人展」(クレラー・ミューラー美術館、オランダ)。
1960 フィラデルフィア美術館から来日した刷師アーサー・フローリーの勧めでリトグラフを制作し始める。
1961 「第6回サンパウロ・ビエンナーレ」
「ピッツバーグ国際現代絵画彫刻展」カーネギー・インスティテュート招待出品(ワシントン D.C.、アメリカ)
「現代日本絵画展」芸術アカデミー(ベルリン、ドイツ)
1962 「現代日本の書:意味と記号展」(ドイツ巡回)
「近代日本の造形−絵画と彫刻」東京国立近代美術館 (東京)
日南市文化センター講堂に緞帳を、ホワイエのために陶壁を制作(宮崎)
「国際美術展」(バンクーバー、カナダ)
「現代日 本墨絵展」(アメリカ巡回)
1963 山梨県富士山麓に山荘を建て、以後、毎年一定期間ここで過ごす。
1965 国立京都国際会館(設計: 大谷幸夫)のためにレリーフと壁画を制作。ベティ・パーソンズ画廊(ニューヨーク)で個展(以後複数回開催)。
1974 増上寺(東京)のために壁画と襖絵を制作。
1979「岡田・篠田・津高:20世紀日本の抽象絵画3人のパイオニアたち」展 (フィリップス・コレクション、ワシントンD.C.ほか巡回)。
『墨いろ』で第27回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
1980 個展「創造と伝統:絵画と版画」 [トールマン・コレクション主催] (芝増上寺大本堂、東京)
1981 トールマン・コレクションによる 5 周年記念ポートフォリオに版画を制作
1982 メリー、ノーマン・トールマン共著「国際舞台に立つ日本の版画家」(叢文社)の表紙のために版画を制作 個展「篠田桃紅展 銀と墨」ギャルリー・ところ (東京)
1983 個展(西武百貨店、静岡 / 浜松 / 大津 / 八尾を巡回)
1984 彫刻家との二人展 Toko Shinoda and Elizabeth de Cuevas (ブルース美術館、
コネチカット)
1986 個展「篠田桃紅ドローイング展」ギャラリー412 (東京)
1988 個展「篠田桃紅 新作展」養清堂リフレクション・ギャラリー(東京)
1989 個展「篠田桃紅展」西武美術館主催、有楽町アート・フォーラム(東京)
「絵画と文字:描かれた文字/書かれた絵」北海道立函館美術館(北海道)
1990「日本の美」展(レトレッティ・アート・センター、フィンランド)
トールマン・コレクション作品による回顧展 [絵画・版画](トールマン・コレクション、東京/アート・フォーラム、シンガポール/ギャラリー・ドゥ・モンド、香港/ ロビン・ バンティン・オブ・ホノルル、ハワイ)
1992 回顧展「篠田桃紅 時のかたち」岐阜県美術館(岐阜)
1996 「TOKO SHINODA VISUAL POETRY」シンガポール国立近代美術館 (シンガポール)
2003 関市立篠田桃紅美術空間開館。
2005 個展「墨いろに心を託した作家のあゆみ」[トールマン・コレクション主催] 新生銀行本店 20階ホール (東京)
2009 「日本の女神たち−篠田、岩見、松原、小田、塩見」(国立シネブリコフ・アート美術館(ヘルシンキ、フィンランド)
個展 [トールマン・コレクション主催] 蘭クラブ(北京、中国)
2011 個展 「リヒテンシュタイン・グローバル・トラスト(LGT 銀行)香港開業 25周年記念展」[トールマン・コレクション主 催] エクスチェンジ・スクエア内ロタンダ(香港)
2013 回顧展「篠田桃紅 百の譜」展(岐阜現代美術館、岐阜県立美術館ほか同時期開催)。
「百の記念 篠田桃紅の墨象」展 菊池寛実記念 智美術館(東京)
2014 個展「桃紅を聴く Resonance:共鳴 / 桃紅の詩 Lyrical:詩(うた)」岐阜現代美術館 (岐阜)
2015 「Breaking Barriers – Japanese Women Print Artists 1950–2000」ポートランド・ アートミュージアム(オレゴン、アメリカ)
2022 個展「篠田桃紅 Toko Shinoda: A Retrospective」 東京オペラシティアートギャラリー (東京)
2024 岐阜現代美術館桃紅館開館。
2025 個展「桃紅の書 書は散なり」岐阜現代美術館 (岐阜)
コレクション
クレラー・ミュラー美術館 (ヘルダーラント、オランダ)
グッゲンハイム美術館 (ニューヨーク、アメリカ)
メトロポリタン美術館(ニューヨーク、アメリカ)
ロサンゼルス・カウンティ美術館 (カルフォルニア、アメリカ)
大英博物館 (ロンドン、イギリス)
シンガポール美術館 (シンガポール)
東京国立近代美術館
京都国立近代美術館
岐阜現代美術館